処方せん受取率は約65%に達し、日本でも医薬分業の業態が当たり前になってきました。今後はますます医療機関の機能分化が進み、医院と地域の患者様との懸け橋となるような役割や機能が、保険調剤薬局には求められていくことになるでしょう。こういった時代背景の中で、弊社でも調剤薬局様の開業をお手伝いさせていただく事例が増えてきております。
調剤薬局の新規開業で重要なポイントは、当然ながら開業適地の選定となります。厚生労働省は『かかりつけ薬局』推進のために面分業を推し進めているとのことですが、地域の患者様に喜んでもらえる、ニーズにこたえることができれば面分業での開業でも全く問題は無いです。ただ通常は、できる限り病院か開業医のクリニックの近隣場所で開業適地を確保し、開業することが望ましいと言えます。点分業、面分業それぞれにメリット・デメリットがありますので、開業適地を探す前の段階で事業コンセプトを明確に設定することも重要です。
また、薬局開設には、保険薬局と病医院の経済的関係が皆無である必要があるなどの運営面における許可基準と、開設予定の場所に関する許可基準が定められています。
開設予定の場所に関しては、厚生労働省が、医療機関と薬局を同じ敷地内に併設することを禁じた構造上の規制を緩和する改正通知を発表(改正通知は2016年10月1日から適用)し、これまでのような、医療機関と薬局の間にフェンスなどを設置して、公道を介することを一律に求める運用は改められました。ただしその一方で、医療機関の調剤所と同様とみられるケースにおいては引き続き認めないことが明確化されています。例えば・・・
- 医療機関と同一敷地内に存在し、薬局の存在や出入り口が行動などから容易に確認できない
- 医療機関の休診日に行動などから薬局に行き来できなくなる
など、地域の患者様を含む一般の方々が薬局に自由に行き来できないような構造も、医療機関と一体的な構造に該当するとしてみなされる。となっています。
設計プランニングする際は、病医院と薬局の位置関係における建築上の許可基準にクリアする必要があります。それをスムーズに進行していくには、豊富な経験と知識が必要になります。
日建では、これまで築いてきた経験と医療業界におけるコネクションをもとに、医療機関専門の設計施工会社という本業以外の部分でもトータルで調剤薬局様の開業をサポートすることが可能です。
調剤薬局開業までの流れ
- 開業コンセプトの明確化
- 開業適地探し
- 資金計画・開業資金の準備
- 設計プランニング
- 工事着工
- 医療機器・什器の選定
- 引き渡し
- 職員の募集
- 申請書類の提出
- ご開業